車の防災グッズは、大雨や大雪、地震による道路規制で車内でしばらく待つことになった場合に備えるものです。非常用持ち出し袋をそのまま積むよりも、車内で過ごす時間と季節に合わせて必要なものを選ぶのがポイントです。
この記事では、公的機関やメーカーの公開情報をもとに、車の防災グッズの基本用品、冬の立ち往生への備え、携帯トイレの選び方をまとめます。
車の防災グッズは「一時的に待つ」ために備える
JAFは、災害時に道路が通れなくなった場合に備え、車に1〜2日分の飲料水・食料・防寒具・簡易トイレなどを積んでおくことを案内しています。状況によっては車を離れて避難する必要もあるため、車載用品だけで対応しようとせず、自治体の避難情報や道路管理者の案内に従いましょう。
まずは、次のような基本用品から用意します。
- 飲料水と、車内の温度変化に配慮した保存食
- 携帯トイレ、処理袋、ティッシュ
- 懐中電灯またはヘッドライト、予備電池
- スマートフォン用の充電器やモバイルバッテリー
- 防寒具、ブランケット、手袋
- 常用薬や眼鏡など、家族ごとに必要なもの
- ウェットティッシュ、マスク、ゴミ袋
車内は保管場所が限られるので、全てを大量に積む必要はありません。家族の人数、よく走る地域、季節、車の収納スペースに合わせて量を調整します。食品や水は、車内保管に適した商品かどうかを表示で確認してください。
基本用品の商品例
必要な品を一度に揃えるより、家にあるものを確認して不足分だけ足すと無駄がありません。以下に、車の防災グッズとして揃えやすい基本用品の具体例を紹介します。
- 非常食: 尾西食品 アルファ米 ドライカレー 100g×5袋 — 水かお湯で戻すタイプなので、飲料水とセットで備えます。保存期間・保管条件は商品表示を確認してください。
- ヘッドライト: エナジャイザー LEDヘッドライト HDL30(単4形電池式) — 両手を空けて作業しやすいヘッドライトの例。乾電池の種類と予備電池の適合を確認してください。
- スマートフォンの充電: Anker Power Bank(20000mAh・30W) — 容量と重さ、端子を確認して選びます。リチウムイオン電池は高温の車内に置きっぱなしにせず、製品の保管条件に従いましょう。
- 停電時の情報収集: ソニー 手回し充電ラジオ ICF-B300 — FM/AMラジオ、LEDライトを備え、手回し・USB AC・太陽光で本体を充電できます。スマートフォンへの充電にも対応しますが、一部機種は非対応です。メーカーも使用時間や機種による違いを案内しているため、ラジオやライトを主用途として考え、充電ケーブルと対応機種を事前に確認しましょう。詳しくはソニー公式の商品情報をご確認ください。
- 携帯トイレ: 回数や人数に合わせた候補は、後半の「携帯トイレは『回数』と『使う人数』で選ぶ」で紹介します。
水は飲用できるものを用意し、一般的なペットボトル水と長期保存水のどちらを選ぶ場合も、保管温度と期限を確認して定期的に入れ替えます。車内は夏に高温になるため、保存条件が車載環境に合わない水や食品は積みっぱなしにしないでください。

車の防災グッズ|冬の立ち往生に備えて追加したいもの
雪道を走る地域では、車の防災グッズに基本用品だけでなく冬用の装備も加えます。国土交通省は、冬用タイヤやチェーンに加え、スコップ、長靴、防寒着、毛布、懐中電灯、砂や滑り止め用品、スノーブラシなどを挙げています。行き先や車種、積雪の見込みに応じて選びましょう。
- 冬用タイヤ、必要に応じてタイヤチェーン
- 雪かき用スコップ、スノーブラシ
- 長靴、手袋、防寒着、毛布
- 体温を逃がしにくくする非常用シート
- 懐中電灯、滑り止め用の砂や脱出補助用品
- 飲料水、食料、携帯トイレ
防寒着や毛布に、保温用シートをプラス
長時間の立ち往生に備えるなら、防寒着や毛布に加えて、体に巻いて体温を保つ補助用品も候補になります。たとえばSOL ヒートシート エマージェンシーブランケット(1人用)は、商品情報で約142×213cm・約70gと案内されています。薄く軽量なので車内に備えやすい一方、これ自体が熱を作るわけではありません。暖房器具の代わりにせず、防寒着や毛布と併用してください。使用後に結露する場合もあるため、濡れた衣類を避け、換気や体調にも気を配りましょう。
大雪で車が動けなくなったときは、排気口が雪で埋まっていないか確認してください。JAFの注意喚起では、排気ガスが車内に入り一酸化炭素中毒につながる危険が示されています。雪で排気口が塞がれるおそれがある状況で、エンジンをかけたままにするのは危険です。安全を確保し、車の取扱説明書や道路管理者・救援機関の指示に従ってください。

赤ちゃん・乳幼児家庭の車の防災グッズ
乳幼児がいる家庭の車の防災グッズは、月齢や授乳方法、食べられるもの、おむつのサイズに合わせて準備します。大人用の備蓄を取り分けるだけでは足りないことがあるため、普段使っている育児用品を基準に準備しましょう。内閣府も、乳幼児の持ち出し品として哺乳瓶や紙おむつなどを挙げています。

授乳・食事に必要なもの
- 母乳中心の場合: 授乳ケープや清潔なガーゼなど、普段の授乳に使うもの。必要な場合に備えて、普段使っているミルクや授乳用品も検討します。
- 粉ミルクを使う場合: いつもの粉ミルク、哺乳瓶・乳首、調乳用の水、洗浄・消毒用品。断水や停電時を想定し、使い捨て哺乳瓶や消毒剤なども候補になります。
- 液体ミルクを使う場合: 赤ちゃんが飲み慣れている製品、必要な乳首・アタッチメント、開封後に使い切るための量。たとえば明治ほほえみ らくらくミルク 240mlがあります。平時に飲み方や接続部品との適合を確かめておきます。
- 離乳食が始まっている場合: 月齢に合ったレトルト・瓶詰の離乳食、食べ慣れたおやつ、スプーン、飲料。農林水産省は、家庭での乳幼児向け食品を少なくとも2週間分備蓄することを推奨しています。車に積む量は、車での移動・避難に必要な分を別に考えましょう。食物アレルギーがある場合は、対応食品も普段のものを備えます。
車内でも使えるType-C対応ケトル
停車中に粉ミルク用のお湯や温かい飲み物を用意する候補として、Hizaro 電気ケトル(Type-C・AC対応)があります。Amazonの商品説明には、Type-CとAC電源に対応し、空焚き防止・沸騰時の自動停止・LEDタッチパネルの温度設定機能を備えると記載されています。停車して安全を確保したうえで、適合を確認した電源につなぎ、少量のお湯を用意する使い方が考えられます。
ただし、販売ページには容量、消費電力、沸騰時間、Type-C給電に必要な出力条件が明記されていません。Type-C対応とあっても、手持ちのモバイルバッテリーで加熱できるとは限らないため、購入前に販売元へ確認し、取扱説明書に記載された電源だけを使ってください。商品ページにはカスタマーレビューが0件と表示されていました。災害時に必要なお湯を確実に作れることを確認できるまでは、これだけを頼りにせず、液体ミルクや飲料水など別の備えも用意しておくと安心です。
粉ミルクを調乳する場合、厚生労働省の案内に従い、70℃以上のお湯を使い、製品表示どおりに調乳してください。温度設定機能があることだけで調乳に適するとは判断せず、設定・表示温度を確認します。やけどや転倒を防ぐため、平らで安定した場所で大人が操作し、使用中は子どもの手が届かないようにしてください。
液体ミルクは調乳用の水やお湯を使わずに授乳できる選択肢ですが、赤ちゃんが飲み慣れているか、製品の対象月齢・保存条件・開封後の扱いを確認してください。粉ミルクを使う場合の水や器具の扱いは製品表示や自治体・保健機関の案内に従い、衛生を保てる方法を事前に確認しておきましょう。
おむつ・着替え・いつものケア用品
- 今使っているサイズのおむつ、おしりふき、おむつ用の袋
- 着替え、肌着、ガーゼ、タオル、保湿剤
- 常用薬、母子健康手帳や保険証情報の控え
- 抱っこひも、使い慣れた小さなおもちゃや安心できるもの
おむつや衣類は成長に合わせてサイズが変わります。車に置く分も、定期点検の際にサイズ・使用期限・状態を見直してください。液体ミルクやベビーフードなどは車内の高温・低温に注意し、車載環境での保管可否を製品表示で確認します。必要な量は、避難先や移動時間、家族構成に応じて決めましょう。
車の防災グッズに携帯トイレを選ぶ
車の防災グッズでは、携帯トイレも重要です。渋滞や通行止めでは、トイレに行けない時間が長くなることがあります。携帯トイレは、車内に置けるサイズか、必要な回数分があるか、使用後の袋を処理できるかを確認しましょう。使い方や廃棄方法は商品の説明に従います。
車載用の候補として、メーカー公式情報ではBOS非常用トイレの5回分セットは約290g、15回分セットは約720gと案内されています。15回分はメーカーの目安で1人3日分(1日5回使用として)です。家族の人数や車内スペースに合わせて容量を選び、購入前に内容物・保存条件・使用期限を販売ページで確認してください。
- BOS非常用トイレ Bセット 5回分(Amazon) — 車に小さく備えたい人向けの少量セット
- BOS非常用トイレ Bセット 15回分(Amazon) — 家族で使う場合や、余裕を持たせたい人向け
商品名のリンク先はAmazon.co.jpです。価格・在庫・販売元・セット内容は変わるため、購入時に商品ページをご確認ください。
車内で場所を取らず、安全に保管する
車の防災グッズは、運転席から手が届く場所に詰め込むのではなく、走行中に転がったり、視界やペダル操作、エアバッグの作動を妨げたりしない場所に固定して保管します。すぐ使うライトや携帯トイレは取り出しやすくまとめ、水や食料などは車内の高温・低温に対応した製品を選びましょう。
保管したら終わりではありません。季節の変わり目などに、飲料水・食品の期限、電池、モバイルバッテリーの充電、携帯トイレの数量、防寒用品の状態を確認します。車内での保管可否や温度条件は、それぞれの製品表示を優先してください。
まずは車に合った小さな備えから
車の防災グッズは、飲料水・食料・ライト・携帯トイレ・防寒具を基本に、冬道を走る人は雪かき道具や冬用装備を加えると組み立てやすくなります。家族構成や移動先に合わせて必要量を決め、無理なく積める範囲で準備しておきましょう。
災害や大雪の際は、車内に留まることが安全とは限りません。避難情報や道路状況を確認し、危険を感じたら公的機関や道路管理者の案内を優先してください。
子どもとの移動時に役立つ車内の暇つぶし用品は、関連記事「子どもとの長距離ドライブ|車内で楽しめる暇つぶしグッズの選び方」でも紹介しています。
参考情報
- JAF「災害時に備えて準備しておくべきもの」
- 国土交通省「雪害に備えた計画的装備」
- JAF「雪道での車内環境」
- 国土交通省 北陸地方整備局「雪道で立ち往生したら」
- BOS公式「非常用トイレ」
- 内閣府「自然災害への備えは万全ですか?チェックしてみよう!」
- 農林水産省「乳幼児の備え」
- Hizaro 電気ケトル(Amazon商品情報)
- 厚生労働省「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについて」
- 厚生労働省「災害時における授乳の支援並びに母子に必要となる物資の備蓄及び活用について」
※この記事はメーカー・比較サイト・公的機関の公開情報をもとに整理した調査記事です。筆者が掲載品を実際に使用したレビューではありません。商品情報・内容・保存目安は購入前に販売元でご確認ください。
くらしのポッケはAmazon.co.jpアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。


コメント